今回はついに最終課題!「生活を少しでも豊かにするものを作ろう!」
ということで、これまで身につけた3DCAD・レーザーカッター・3Dプリンター・プログラミングの知識・技能を用いて、前作の「モゾット」に続く新たな電動ペットを作ることにしました!
(以下、少々茶番にお付き合いください)
突然ですが皆さん!
ペットをお求めではありませんか!?
・・・っていって、前回は電動ペット「モゾット」を紹介しましたね。
今回はモゾットのお友達、「ピョコット」のご紹介です!
さあまずは100聞くよりも1見ろ!ということで、こちらがそのピョコットです!
どうですか!モゾットのようなつぶらでかわいらしい瞳!
少し細長いけどそれでもちょこんとしたサイズ感の脚!
そして丸みを帯びた羽!
ビジュアル的にはモゾットに負けずとも劣らない可愛さでしょう!
更にこのピョコット、モゾットととは動きが違います!
感の良い方はおわかりでしょう・・・なぜ「ピョコット」という名前なのか・・・
その理由は次の動画にあります!
ここに写っているのは、「ぴょっこぴょっこ」と跳ね回るように動く「ロボット」・・・そう!だから「ピョコット」なのです!
こんなに立派な羽を持っているのに、ピョコットは飛べません・・・。そんなことはピョコットも分かっているでしょう・・・。
でもピョコットは頑張り屋さんなので、飛ぼう飛ぼうと何回も跳ね回ります!
その健気な姿は、モゾットとはまた違った癒しを、あなたに与えてくれるでしょう!
勿論、モゾットと同様に、餌はダイソーの9V乾電池(税込み110円)で事足りますし、このサイズ感ならおうちの中を飛び回るだけでも立派な散歩です!また、ちょっと壊れてもすぐ治せるので、あなたのお手を煩わせることはなくなるでしょう!
・・・え?「でもモゾットよりも活発だから、気づかないうちにどこかに行ってしまいそう?」
ご安心ください!
このピョコット、実は付属のコントローラーにより、あなたの言うことにも忠実で、お利口なペットとなり得るのです!
付属のコントローラーには、A・Bの2つのボタンが用意されており、AボタンとBボタンを同時に押すと飛び回るのをやめます。そしてAボタンを押すと前に跳び、Bボタンを押すとお座り状態になります。
これがあれば、勝手にどこかに行ってしまうということはありません!
「いつでも帰りを待っていてくれるかわいいペットが欲しい!」「さみしいけど手がかかるのは嫌だ・・・」「モゾット1匹だけじゃかわいそう・・・」そんなあなたのおうち事情をちょっとでも豊かにしてくれるのが、電動ペット「ピョコット」なのです!
あなたのおうちに、1匹、どうですか?
・・・はあああいっ!!!茶番終了!
まあ以上の通り、今回私がピョコットを作ったきっかけは、「モゾット」以外にもう一匹いたらなあ・・・と思ったことですね。私の寂しい部屋での生活が、ピョコットによってより豊かになる・・・そんなことを目論んでいました。
さて、まず3DCADと3Dプリンターの出番ですが、一枚目の写真の下半分から何やら水色のものがコンニチワしてますよね?
これはピョコットの体にmicro:bitおよび拡張基盤・サーボモーター・9V乾電池をまとめて固定するための構造体で、いわゆるピョコットの骨格的な部分です。これを次のように3DCADで設計し、3Dプリンターで出力しました。
側面の4つの穴はサーボモーターを差し込むために、もう一つある小さい穴は配線のために、下のスペースは乾電池を固定するために設けました。
最初はサーボモーターの穴の横幅が狭すぎて、無理くりブチ込んだら割れたので、数ミリ単位で設計し直して再出力しました。
今度はぴったりはまったので万事OKだと思っていた自分がいました・・・。
ある時最初に配布していただいた電池がなくなってしまったので、自分で100円ショップで買ってきたものを使おうとしました。すると、前までぴったりとはまっていた9V乾電池が、なんと入らないではありませんか・・・。
・・・・・・・・・しかたがないので紙やすりで削って無理くり突っ込みました。
次にレーザーカッターの出番ですが、レーザーカッターはピョコットの脚として生きています!
SVGデータとしては以下のような感じで作り、出力しました。
これを本当はサーボモーターの回転軸に直接はめようと思ったのですが、1回目は緩すぎ、2回目は狭すぎになってしまい、その後も何回か試しましたがぴったりで出力するのは難しかったので断念しました。代わりに、サーボモーターに付属している白い爪に、作った脚をそのままセロハンテープで縛りつけるという荒業で乗り切りました・・・。そしてそのセロハンテープの弱さのせいで、たまに踏ん張ると脚にずれが起こって上手く跳べないことがあるのが改善点の一つです・・・。(今度は接着剤でガッチガチにしたろ。)
最後にプログラミングですが、プログラミングはもうピョコットの動きとコントローラーの信号送信のすべてを司っています。
はい!上2つがピョコット本体の動きのプログラムで、下のものがコントローラーのプログラムです!
実際に遠隔操作しているところも動画に収めたかったのですが、突如2つあるmicro:bitの内片方がお亡くなりになったため、またの機会に、ということで・・・お許しください。
(一応まだ2つとも生存していた時に動作テストはしていたので、動くことは確認済みです。)
ということで、以上が今回の最終課題「ピョコット」に関する技術でした!
いろいろハプニングはありましたが、なんだかんだ形になって嬉しかったです!!
また機会があったら第3号も・・・ご期待ください・・・!!!
[学んだこと・感想]
〇3Dプリンターで出力したものが設計よりも小さめに出来上がってしまったが、それは部屋の気温の低下が原因であるということを知って、ものを設計通りに作るためにはやはり材料の性質という要素は大切間なものになってくるということが改めて分かった。
〇乾電池のサイズが合わなくなってしまったという失敗から、自分がつくるものの性質を理解するだけでなく、それが直接干渉するもの(今回ならサーボモーターや配線・乾電池)の特性を把握しておく必要があるということが分かった。
〇今回は去年よりも、比較的実用性が低いものを最終課題として作ったが、気持ち的には去年の「スママー」よりも、この「ピョコット」や、前作の「モゾット」を作った時の方が、ものづくりを楽しむことができた気がした。「思い通りのものを形にする」という点では同じなのかもしれないが、「自由に」ものづくりを楽しむという点では、今回の方が充実していたように思える。ものづくりの自由さがいかに大切であるかがよくわかった。
〇今回の課題で私は、「電動ペット」を作るのにはまってしまったかもしれない。正直に言うと、手元にレーザーカッターや3Dプリンターがあり、且つ時間があれば明日にでも第3号を作り始めたいと思っている。最悪デジタルファブリケーションが使えなかったとしても、得意の紙工作で何とかして作るかもしれないが・・・。
〇ものを作るのに、やはり手で作ったものが出す「味」という要素も捨てがたいものだと思った。今回であれば、ピョコットはガワだけ紙工作による手作りで、他はデジタルファブリケーションにより生まれた部分で構成されている。ここでピョコットのガワまでコンピューターで設計・作成していたとしたら、今のようなコンセプトに合ったピョコットやモゾットは生まれなかったと思う。また、人が手作業をして考えながら作ってゆくことで生まれるものというのは、コンピューターによる設計・作成ではなかなか辿り着けないようなものに感じた。これは、デジタルを主としたものづくりを経験したからこそ分かったことだと思う。
ナウシカの大王ヤンマを彷彿とさせるフォルムがいいですね!
飛べないけど。